バラと言うと艶やかで美しいイメージがありますが、私は野に咲く印象のハマナスのような楚々としたものも好きです。ハマナスが我が家にやって来たのはいつだったでしょう?木香薔薇と同じころだったような気がします。いわゆるバラ栽培に手を染める前の事です。家の外の道路べりに野原のようなコーナーがあり、そこに苗から育てたカイノキ、ナンキンハゼ、オリーブやスモークツリーを植え、今では我が家の雑木林になっています。その場所にハマナスも植えました。
何しろ野原なので、雑草の間にひょっこり顔を出しています。ハマナスは一か所に留まることなく、毎年地下茎が伸びてあちらこちらに出てきます。もしかしたら一か所に留めることもできるのかもしれませんが、自然に任せっぱなしにしています。私は作りこんだものよりこの方がハマナスらしいと勝手に思っています。たまに道路際に顔を出すことがありますが、これは通行の邪魔になるので根元から切り取ることにしています。一重で赤紫の薄い花びらはとても可憐ですが、とげは野性味いっぱいで恐ろしいほど密生しています。一度草を取る時に思い切り枝を触って、とげが取れるまで数日掛かった経験があります。きれいな花にはとげがある、要注意です。プロフィールは、イバラ目バラ科バラ属の落葉低木、茨城県、鳥取県から北海道にかけて海岸の砂地に大群落を形成することがあるそうです。かつては香料の原料として使われることがあったようです。北海道のお土産にハマナスジャムと言うものがあったような気がします。調べると、ローズヒップとして扱われているようですが、ハーブのローズヒップはイヌバラの果実でハマナスとは種が違うようです。晩夏の季語、皇后雅子さまのお印です。