小麦粉や酵母の違いを検証してみます。今までこの小麦粉はこんな特徴、この酵母はこんな感じ、とか一つ一つでは確認してきました。それに沿ってレシピ作りもしてきましたが、焼き比べは実際してきていません。小麦粉の違い、酵母の違い、ごっちゃにするとわかりにくくなるので別々にしてみることに・・・。
今回は酵母の違いです。ホシノ酵母、あこ酵母、自家製酒種酵母、の3つは麹をベースに作っている酵母です。ホシノはパン教室を始めた時からずっと使い続けています。酒種はそれより少し後から使い始めました。発酵力の違いは感じられませんが味や食感は酒種の方が若干優しい感じがします。ホシノ酵母には種類がいくつかありますが、私は丹沢酵母を軸に使っています。あこ酵母はホシノと酷似していますが、いくらか特徴が違うようです。あこ酵母が我が家にやってきたのは最近のことで、教室ではまだ使っていません。あこ酵母はストロングの方です。使い方はホシノと全く一緒です。一度使ってみた感じではホシノ丹沢酵母より発酵力が強いような気がしました。味は若干ソフトかと・・・。発酵力が強いのなら今後はあこに変えて行っても良いのか悩んでいます。
今日は酒種とあこの違いを検証してみました。粉や酵母の違いを見ていくなら生地はシンプルで、違いがはっきり分かる食パンを作りました。レシピはシンプルな王道と言って良いものです。
<配 合>
- 国産強力粉ハルユタカ 70%
- 国産強力粉キタノカオリ 30%
- 天然塩 1.8%
- 粗糖 5%
- スキムミルク 3%
- 酵母 酒種10%・あこ8%
- eastリロンデル 0.1%
- 無塩バター 5%
- 水 酒種の場合58%・あこの場合60%
(どちらも酵母と水を合わせて68%に・・・)
酵母はどちらも作りたての元気の良いものです。
前日に捏ねて予備発酵後冷蔵発酵一晩はいつものやり方です。
成形発酵はどちらも同じで60分ほど、型すれすれの高さまで
型の容量950ml・粉の合計200g
成形は丸め成形で分割丸めの後ベンチは取らずに丸めなおし、いくらか張りを出して生地の力を作る。
生地を入れた時点で型の半分ほどの高さ(一番高いところ)で倍くらいに発酵したところで窯入れ・・・。あとは何時もの食パンと同じ焼き方。
表面につやがあるのは焼き上がりにバターを少し塗っています。理由はおいしそうに見えるのと、皮の部分がパサパサにならないから・・・。
検証の結果、見た目はまるで双子で、同じ工程で進みました。窯伸びも問題なく、味や食感はほぼほぼ同じで違いは感じられません。あこは癖がないという話、本当でした。
因みに、天燃塩は瀬戸内の塩100%の花藻塩、粗糖は花見糖を使いました。どちらも取り寄せなくても近所のスーパーやJAの直売所で手に入ります。
小麦粉の種類はハルユタカとキタノカオリをブレンドしました。ハーフ&ハーフでももちろん良いのですが、せっかくのハルユタカなので、ハルユタカをベースにキタノカオリをサポート役に使いました。
- ハルユタカは平成4年に試験栽培が実施されて以来、その後品種改良された小麦粉に負けない高いグルテン量、風味、食感も抜群の長年愛され続けている強力粉です。
- キタノカオリはコシヒカリのような強いうまみと甘い香り、焼き色がカリっと香ばしく黄色みを帯びたクラムはもっちりとしている。吸水力も高い。
酵母の検証ではありませんが、この配合の食パン、なかなかしっとりで優しい甘み、冷めたては焼かずに食べるのがベストです。贅沢な材料をふんだんに使っている高級食パンに負けていません。シンプルな素材から出た旨味や食感、生で美味しくいただけます。